【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省・日本神経学会等の公式資料をもとに、AIが情報を整理・要約したものです。個別の診断や治療については、必ず医師にご相談ください。
■結論
認知症診療ガイドラインが9年ぶりに大改訂。「症状が出る前」から捉える考え方が導入された。
■今日の話題
【1】「認知症疾患診療ガイドライン」が2026年5月に9年ぶり改訂
日本神経学会を中心に策定される「認知症疾患診療ガイドライン」が、2026年5月に9年ぶりの大幅改訂を迎えた。新薬の登場や画像診断技術の進歩など、この間の医療技術の進歩を反映した内容となっている。
(出典:m3.com医療維新、日本神経学会関連資料)
【2】新概念「アルツハイマー病連続体」を導入
今回の改訂における最大の変更点は、「アルツハイマー病連続体(Alzheimer’s Disease Continuum)」という考え方の導入である。これは、脳内でアミロイドβの蓄積が始まってから認知症の症状が現れるまでを、単発の病気としてではなく、連続したプロセスとして捉える考え方である。ガイドラインでは、自覚症状のない段階、軽度の認知機能低下がみられる段階など、複数のフェーズに分けて定義されている。
(出典:DISAJP「認知症疾患診療ガイドライン2026 9年ぶりに改訂」)
【3】新薬「ドナネマブ」が保険適用に
厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は、米製薬大手イーライ・リリーが開発したアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ(製品名ケサンラ)」の保険適用を承認した。原因物質とされるアミロイドβの塊を除去する薬として、2023年12月に保険適用されたレカネマブ(製品名レケンビ)に続く国内2例目の薬剤となる。
(出典:日本経済新聞、厚生労働省資料)
【4】投与対象は早期の軽症患者に限定
ドナネマブ・レカネマブともに、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)または軽度の認知症の患者が投与対象とされる。投与にあたっては、脳脊髄液検査またはアミロイドPET検査により、脳内にアミロイドβが蓄積していることを確認する必要があり、専門医療機関での注意深い観察・評価のもとで実施される。
(出典:厚生労働省「アルツハイマー病の新しい治療薬について」)
【5】認知症有病率は低下、MCIは増加という「逆転現象」
九州大学の研究チームによる全国推計調査によれば、日本の高齢者における認知症有病率は2012年の15.0%から2022年には12.3%に低下した一方、MCI(軽度認知障害)の有病率は同期間に13.0%から15.5%に増加している。高齢者人口が増加する中でも認知症の割合自体は下がり、その一歩手前とされるMCIの割合が増えるという現象が確認されている。
(出典:九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の疫学調査データ)
■AIがよく間違える誤情報3選
①「新薬(レカネマブ・ドナネマブ)は認知症を治す薬」という誤解
→ 誤り。これらの薬は、原因物質とされるアミロイドβに作用し、初期段階での認知機能低下の進行を抑制することを目的とした薬であり、認知症を完治させる薬ではない。投与対象も早期の軽症患者に限られている。
②「認知症有病率が下がっているので、日本の認知症患者数は減っている」という誤解
→ 誤り。有病率(割合)は低下しているが、高齢者人口自体が増加しているため、認知症患者の実数が減っているとは限らない。割合の低下と実数の増減は別の指標である点に注意が必要である。
③「MCI(軽度認知障害)と診断されたら、いずれ必ず認知症になる」という誤解
→ 誤り。MCIは認知症の前段階とされる状態ではあるが、必ずしも全員が認知症に進行するわけではなく、適切な対応により状態が維持されたり改善したりするケースもあるとされる。「アルツハイマー病連続体」という考え方も、早期からの継続的な観察・介入の重要性を示すものである。
■本文
▼なぜ「連続体」として捉える必要があるのか
従来、アルツハイマー病は「症状が出て初めて診断される病気」として扱われる傾向があった。しかし、画像診断技術の進歩により、症状が出る前の段階から脳内でアミロイドβの蓄積が進行していることが明らかになってきた。「アルツハイマー病連続体」という考え方は、この無症候の段階から症状が進行するまでの一連のプロセスを一体的に捉え、早期からの介入や経過観察の重要性を示すものといえる。
▼新薬登場がもたらした診療の変化
レカネマブ・ドナネマブという2つの新薬の登場により、これまで対症療法が中心だった認知症治療に、原因物質そのものに働きかける選択肢が加わった。ただし、これらの薬は投与対象が早期の軽症患者に限定され、投与前には専門的な検査による確認が必要とされる。また、脳の腫れや出血といった副作用のリスクも報告されており、専門医療機関での慎重な運用が求められている。
▼有病率とMCI増加が示すもの
認知症有病率の低下とMCI有病率の増加という「逆転現象」は、生活習慣病対策や健康意識の向上など複数の要因が背景にあると考えられている。一方で、MCIの増加は、認知症の一歩手前の段階にある高齢者が増えていることを意味し、この段階での早期発見・早期対応の重要性がこれまで以上に高まっているといえる。
▼早期受診の意義
「アルツハイマー病連続体」という考え方が示すように、症状が軽いうちや、自覚症状がない段階からの検査・経過観察が、将来の進行抑制につながる可能性がある。物忘れなどの変化を感じた際は、様子を見るだけでなく、早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けることが推奨される。
▼今後の治療・診療への期待
新薬の保険適用やガイドラインの改訂は、今後の認知症診療のあり方に大きな影響を与えると考えられる。一方で、高額な薬剤費が保険財政に与える影響や、専門医療機関の体制整備といった課題も指摘されている。診療体制の整備状況や新たな治療選択肢については、今後も厚生労働省や専門学会の発表を通じて確認していくことが望ましい。
■エビデンス評価
レベルA(厚生労働省・日本神経学会等の公式資料に基づく一次情報)
なお、本記事は認知症の診療・治療に関する一般的な情報を扱ったものです。ご自身やご家族の症状についてご心配な場合は、かかりつけ医や認知症疾患医療センター等の専門機関にご相談ください。
【カテゴリー】
医療・健康
【タグ】
認知症,アルツハイマー病,レカネマブ,ドナネマブ,厚生労働省


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