【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」(令和7年9月16日公表)および報道発表資料(mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/)に基づき作成しています。数値はすべて同報道発表PDFから直接確認しています。情報は記事作成時点(2026年11月7日)のものです。
■結論(50字以内)
令和6年の出生数は68万6,173人で過去最少。合計特殊出生率も1.15で過去最低を更新した。
■今日の話題
- 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」(令和7年9月16日公表)によると、令和6年の出生数は686,173人で、前年(727,288人)より41,115人減少し9年連続で減少・過去最少を更新した。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数の指標)は1.15で、前年(1.20)より0.05ポイント低下し9年連続の低下・過去最低を更新した(出典:厚生労働省 同公表PDF)。
- 令和6年の死亡数は1,605,378人で前年(1,576,016人)より29,362人増加し4年連続で増加・過去最多を更新した。出生数から死亡数を引いた自然増減数は△919,205人で過去最大の減少となり、18年連続の自然減少が続いている(出典:同)。
- 婚姻件数は485,092組で前年(474,741組)より10,351組増加(+2.2%)した。コロナ禍で落ち込んだ婚姻件数は令和3年以降一定の回復をみせており、令和6年は増加に転じた。離婚件数は185,904組で前年(183,814組)より2,090組増加した(出典:同)。
- 合計特殊出生率を都道府県別にみると、最高は沖縄県(前年も1位)、最低は東京都(0.96)・宮城県(1.00)・北海道(1.01)の順(出典:同・nippon.com等)。東京都は前年に続き1.00を下回った。
- 2070年の日本の人口見通し(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」令和5年推計):約8,700万人と現在(約1億2,500万人)の約70%。生産年齢人口(15〜64歳)は約4,500万人に減少し、高齢化率は38.7%に達する見込み(出典:国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)。
■AIがよく間違える誤情報3選
❌ 誤り①「合計特殊出生率が2.0以上あれば人口は維持できる」
✅ 正しくは:人口を維持するために必要な出生率(人口置換水準)は、日本では約2.07とされている(死産・乳幼児死亡率等を考慮した計算値)。2.0ではなく2.07が目安。令和6年の1.15は置換水準の約56%に過ぎず、現状のままでは人口減少が継続することを示している(出典:内閣府・国立社会保障・人口問題研究所)。
❌ 誤り②「婚姻件数が増えれば出生数も自然に増える」
✅ 正しくは:婚姻件数と出生数には関連があるが、直接の比例関係ではない。令和6年の婚姻件数は前年比+10,351組と増加したが、出生数は前年比−41,115人と減少した。これは晩婚化・晩産化(第1子出産年齢の上昇)・1組あたりの子ども数の減少(有配偶出生率の低下)が影響しており、婚姻件数の増加が出生数の増加に直結しない状況が続いている(出典:同・内閣府)。
❌ 誤り③「少子化の主な原因は女性の社会進出」
✅ 正しくは:少子化の要因は多因子であり、内閣府の「少子化対策白書」は①結婚・出産・育児と仕事を両立できる環境の不足、②子育てにかかる経済的負担、③出会いの機会の減少や未婚化・晩婚化、④住宅コスト等の生活環境要因——を主要因として挙げている。「女性が働くから少子化が進む」という単純な因果関係は統計・研究では支持されておらず、むしろ男女が仕事と子育てを分担しやすい環境が整った国では出生率が高い傾向がある(出典:内閣府「少子化対策白書」)。
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■本文
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令和6年人口動態統計(確定数):4つの「過去記録」
厚生労働省が令和7年9月16日に公表した「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」には、4つの過去記録の更新が含まれています。
| 指標 | 令和6年 | 前年 | 変化 | 記録 |
|---|---|---|---|---|
| 出生数 | 686,173人 | 727,288人 | −41,115人 | 過去最少(9年連続) |
| 合計特殊出生率 | 1.15 | 1.20 | −0.05 | 過去最低(9年連続) |
| 死亡数 | 1,605,378人 | 1,576,016人 | +29,362人 | 過去最多(4年連続) |
| 自然増減数 | △919,205人 | △848,728人 | −70,477人 | 過去最大の減少(18年連続) |
出生数686,173人の意味
第2次ベビーブーム期(1971〜74年)の最多は約209万人(1973年)。令和6年の686,173人はその約33%です。日本の出生数は一貫して減少を続け、2016年に初めて100万人を割り込み、今回初めて70万人を割り込む水準(概数)に達しました。
母の年齢(5歳階級)別にみると、すべての年齢階級で出生数が前年から減少しています。
合計特殊出生率1.15の位置づけ
合計特殊出生率(TFR)とは、15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当します。
- 人口置換水準(人口を維持するのに必要な水準):約2.07
- 令和6年の合計特殊出生率:1.15(置換水準の約56%)
都道府県別では最高が沖縄県、最低が東京都(0.96)・宮城県(1.00)・北海道(1.01)の順で、東京都は2年連続1.00を下回りました。
自然増減△919,205人:「91万人超の自然減」
自然増減は出生数から死亡数を差し引いた値です。令和6年は出生686,173人に対し死亡1,605,378人で、差し引き919,205人の自然減となりました。これは2005年から続く自然減が過去最大となったものです。
毎年約90万〜100万人単位で人口が減少しているのは、政令指定都市1〜2都市分の人口が消えていく規模に相当します。
婚姻は増加:コロナ禍以降の回復傾向
婚姻件数は485,092組で前年比+10,351組(+2.2%)と増加しました。コロナ禍(2020〜21年)に急減した婚姻件数は一定の回復を見せていますが、ピーク時(1970年代前半・約110万組)の半分以下の水準が続いています。
離婚件数は185,904組で+2,090組(+1.1%)とわずかに増加しました。
2070年の見通し:人口8,700万人
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生率中位・死亡率中位推計によると、日本の人口は2070年に約8,700万人になると見込まれています。
現在約1億2,500万人の人口が50年足らずで約30%減少する見通しです。
エビデンス評価
【レベルA】出生数686,173人・9年連続減少・過去最少、合計特殊出生率1.15・9年連続低下・過去最低、死亡数1,605,378人・4年連続増加・過去最多、自然増減△919,205人・18年連続減少・過去最大、婚姻485,092組(+10,351組)、離婚185,904組(+2,090組)
→ 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」報道発表PDF(mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/dl/14_houdouR06.pdf、令和7年9月16日公表)を直接確認
【レベルA】2070年の人口見通し8,700万人・生産年齢人口4,500万人・高齢化率38.7%
→ 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生・死亡ともに中位推計
【カテゴリー】金融・経済
【タグ】人口動態統計、出生数、合計特殊出生率、少子化、死亡数、自然減少、婚姻、令和6年、厚生労働省、人口問題

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