【JGQ編集部より】
本記事は、資源エネルギー庁「令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績(確報)」(令和7年4月25日公表)に基づき作成しています。数値はすべて同プレスリリースから直接確認しています。情報は記事作成時点(2026年11月2日)のものです。
■結論(50字以内)
令和5年度の再エネ発電比率は22.9%で11年連続増加。CO2排出量は1990年度以降の最少。
■今日の話題
- 資源エネルギー庁が令和7年4月25日に公表した「令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績(確報)」によると、令和5年度の発電電力量(9,877億kWh)に占める再生可能エネルギー(水力を含む)の構成比は22.9%で、前年度比+1.0ポイント増加した(出典:同プレスリリース)。
- 再生可能エネルギー(水力を含む)の一次エネルギー供給量は11年連続で増加。水力を除く再生可能エネルギー(太陽光・バイオマス等)が6.3%増加し、太陽光発電とバイオマス発電がけん引した。一次エネルギー供給に占める非化石燃料のシェアは25年ぶりの高位となる19.3%に上昇(出典:同)。
- 非化石電源比率は東日本大震災以降で初めて30%を超え、31.4%に達した。内訳は再生可能エネルギー(水力含む)22.9%・原子力8.5%(出典:同)。
- エネルギー起源CO2排出量は前年度比4.1%減・2013年度比25.4%減の9.2億トンで、1990年度以降の最少を更新した。エネルギー消費総量の減少と非化石燃料の増加で化石燃料の消費が大幅に減少した(出典:同)。
- エネルギー自給率(IEAベース)は15.3%で前年度比+2.6ポイント増加、東日本大震災以降で最高水準。なお第6次エネルギー基本計画が定める2030年度の再エネ目標は電源構成の36〜38%で、22.9%(令和5年度)との差は13〜15ポイント(出典:同・経済産業省)。
■AIがよく間違える誤情報3選
❌ 誤り①「日本の再生可能エネルギー比率はすでに目標を達成している」
✅ 正しくは:令和5年度の再エネ(水力含む)発電比率は22.9%。第6次エネルギー基本計画が掲げる2030年度の目標36〜38%とはまだ13〜15ポイントの差があり、目標達成には年間で相当の積み上げが必要。特に洋上風力・地熱の導入拡大が課題とされている(出典:資源エネルギー庁)。
❌ 誤り②「太陽光発電は日本の再エネの大半を占める」
✅ 正しくは:令和5年度の電源構成データでは、水力が再エネ全体の中で依然として相当の比率を占める。水力を除く再エネの中では太陽光発電が最大だが、バイオマス発電・風力・地熱なども含めた複合的な構成となっている。「太陽光だけで再エネの大半」という理解は正確でない(出典:資源エネルギー庁 総合エネルギー統計)。
❌ 誤り③「CO2排出量の減少は景気後退や工場閉鎖が主因」
✅ 正しくは:令和5年度の資源エネルギー庁の分析では、CO2排出量9.2億トン(2013年度比25.4%減)の要因として、①最終エネルギー消費量の減少(製造業の生産活動・家庭部門の電力消費の減少)と②非化石燃料(再生可能エネルギー・原子力)の増加の両方が挙げられている。「経済縮小のみが主因」という見方は一面的(出典:同プレスリリース)。
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■本文
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令和5年度のエネルギー概況:再エネ22.9%・CO2最少更新
資源エネルギー庁が令和7年4月25日に公表した「令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績(確報)」によると、令和5年度の総発電電力量は9,877億kWh(前年度比1.4%減)で2010年度以降で最少となりました。
この発電電力量に占める再生可能エネルギー(水力を含む)は22.9%(前年度比+1.0%p)で、11年連続の増加を記録しています。
再エネの内訳:太陽光とバイオマスがけん引
再生可能エネルギー(水力を含む)22.9%の内訳は公表データから次のように整理できます。
- 水力発電:引き続き再エネの柱の一つ
- 太陽光発電:FIT制度開始(2012年)以降に急拡大した主力
- バイオマス発電:太陽光と並んで増加をけん引
- 風力・地熱:導入量は増加しているが比率は小さい
水力を除く再エネ(太陽光・バイオマス等)は前年度比6.3%増加。一次エネルギー供給に占める非化石燃料のシェアは25年ぶりの高水準となる19.3%まで上昇しました。
非化石電源比率が初めて30%超:31.4%に
非化石電源(再エネ+原子力)の比率が東日本大震災以降で初めて30%を超え、31.4%に達しました。内訳は次のとおりです。
| 電源 | 発電比率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー(水力含む) | 22.9% | +1.0%p |
| 原子力 | 8.5% | +2.9%p |
| 火力(バイオマスを除く) | 68.6% | ▲4.0%p |
火力比率は68.6%と依然として高いですが、減少傾向が続いています。
CO2排出量:1990年度以降の最少・2013年度比25.4%減
エネルギー起源CO2排出量は9.2億トンで、前年度比4.1%減・2013年度比25.4%減となり1990年度以降の最少を更新しました。
削減の要因は2つです。
- 需要側:最終エネルギー消費量の減少(製造業の生産活動低迷・家庭部門の節電・暖冬)
- 供給側:再エネ・原子力の増加により化石燃料消費が1991年度以降で最も大きく落ち込んだ
電力のCO2原単位(使用端)も前年度比2.9%減の0.46kg-CO2/kWhに低下しています。
2030年目標との距離
第6次エネルギー基本計画(令和3年10月閣議決定)が掲げる2030年度の再エネ目標は、電源構成の**36〜38%**です。令和5年度時点(22.9%)との差は13〜15ポイント。
残り数年で目標を達成するためには、特に洋上風力・地熱・水素・アンモニア等の導入拡大が課題となっています。エネルギー自給率は15.3%で東日本大震災以降で最高ですが、依然として輸入依存の構造が続いています。
エビデンス評価
【レベルA】令和5年度の再エネ(水力含む)発電比率22.9%(+1.0%p)・11年連続増加、一次エネルギー供給の非化石燃料シェア19.3%(25年ぶり高位)、非化石電源比率31.4%(震災以降初めて30%超)・原子力8.5%・火力68.6%、CO2排出量9.2億トン・前年度比4.1%減・2013年度比25.4%減・1990年度以降最少、エネルギー自給率15.3%(震災以降最高)
→ 資源エネルギー庁「令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績(確報)」プレスリリース(meti.go.jp、令和7年4月25日公表)ページ本文を直接確認。数値をすべて確認。
【レベルA】2030年度の再エネ目標36〜38%(第6次エネルギー基本計画、令和3年10月閣議決定)
→ 経済産業省・資源エネルギー庁の複数資料で一致確認
【カテゴリー】環境・サステナ
【タグ】再生可能エネルギー、再エネ、太陽光発電、エネルギー自給率、CO2排出量、資源エネルギー庁、カーボンニュートラル、電源構成、エネルギー基本計画、2030年目標


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