CO2排出量取引制度、2026年度から本格稼働 — 大企業約300〜400社が対象に

環境・サステナ

【JGQ編集部より】
本記事は、経済産業省の公式資料をもとに、AIが情報を整理・要約したものです。個別企業への制度適用については、必ず経済産業省公式サイトまたは排出量取引制度ポータルサイトでご確認ください。

■結論
CO2排出量取引制度が2026年度から本格稼働。年10万トン以上排出の企業約300〜400社が対象。

■今日の話題

【1】改正GX推進法に基づき2026年度から本格稼働
経済産業省は、脱炭素に向けた施策として、二酸化炭素の直接排出量が前年度までの3年度平均で10万トン以上の事業者を対象とする「排出量取引制度」(GX-ETS)を、2026年度から本格稼働させる。2025年5月の通常国会で成立した改正GX推進法に基づく取り組みである。
(出典:経済産業省「排出量取引制度」)

【2】対象は電力・鉄鋼など約300〜400社
二酸化炭素の直接排出量が10万トン以上の事業者は300〜400社程度とされ、これらの事業者による排出量の合計は、日本の温室効果ガス排出量の6割近くを占める見込みとされている。電力、鉄鋼、化学など、CO2排出量の多い業種が中心的な対象になるとみられる。
(出典:TMI総合法律事務所「排出量取引制度(GX-ETS)(2026年4月施行の省令、実施指針を踏まえ)①」)

【3】政府が排出枠を割り当て、企業間で取引が可能
本制度では、政府が一定の基準の下、制度対象者に排出枠を割り当て、毎年度、排出実績量と同量の排出枠を法令に定める期限までに保有することを義務付けている。制度対象者は、排出枠に過不足が生じた場合、事業者間で市場取引を通じて融通し合うことができる。目標を上回って削減した企業は余剰の排出枠を売却でき、目標を達成できなかった企業は他社から排出枠を購入して義務を履行する仕組みである。
(出典:経済産業省「排出量取引制度」)

【4】初年度(2026年度)は特例スケジュール
制度初年度である2026年度は、通常とは異なる特例的なスケジュールが採られる。年度平均排出量の届出と移行計画の提出が先行して行われ、排出目標量等の届出や実際の排出枠の割当ては2027年度に行われる予定とされている。
(出典:丸紅新電力「排出量取引制度(GX-ETS)とは?」)

【5】段階的なカーボンプライシング導入の一環
排出量取引制度は、政府が進める「成長志向型カーボンプライシング構想」の柱の一つに位置づけられている。この構想では、2026年度からの排出量取引制度本格稼働に続き、2028年度から化石燃料の輸入事業者等を対象とした「化石燃料賦課金」の導入、2033年度から発電事業者を対象とした排出枠の「有償オークション」の段階的導入が予定されている。
(出典:経済産業省GXグループ「2026年度より開始する排出量取引制度について」)

■AIがよく間違える誤情報3選

①「排出量取引制度は全ての企業を対象にした制度」という誤解
→ 誤り。対象となるのは、二酸化炭素の直接排出量が前年度までの3年度平均で10万トン以上の事業者に限られる。対象企業数は300〜400社程度とされ、全ての企業が制度対象になるわけではない。

②「2026年度から、対象企業はすぐに排出枠の割当てと取引を開始する」という誤解
→ 誤り。制度初年度の2026年度は特例的なスケジュールが採られ、年度平均排出量の届出と移行計画の提出が先行する。排出目標量等の届出や実際の排出枠の割当ては2027年度に行われる予定であり、いきなり本格的な取引が始まるわけではない。

③「排出量取引制度の対象外の企業には全く影響がない」という誤解
→ 誤り。対象企業がサプライチェーン全体での排出削減(Scope3)を進める中で、取引先の中小企業に対しても、CO2排出量の算定・報告や削減目標の設定を求める動きが広がる可能性がある。直接の対象でなくても間接的な影響を受けうる。

■本文

▼「成長志向型」という政策的な位置づけ
今回の排出量取引制度は、単に企業に炭素排出のコストを負担させることを目的とするのではなく、企業が早期に脱炭素投資やイノベーションを進めやすくなるよう、支援と規制を組み合わせた「成長志向型カーボンプライシング」の一環として設計されている。政府は今後10年間で150兆円を超える官民GX投資の実現を掲げており、排出量取引制度はその財源確保や投資インセンティブの一部を担う仕組みと位置づけられる。

▼2023年度からの試行を経た本格稼働
排出量取引制度は、2023年度から企業の自主的な参加に基づく試行(第1フェーズ)としてGXリーグの枠組みで実施されてきた。2026年度からの本格稼働(第2フェーズ)は、この試行段階で得られた知見を踏まえ、一定規模以上の排出企業への参加義務化という、より実効性の高い制度への移行を意味する。

▼排出枠価格の上下限設定という仕組み
GX-ETSでは、排出枠価格の急激な変動を防ぐため、上下限価格が設定される。専門家の解説によれば、日本の設定価格は国際的に見て依然として低い水準にあるとされ、欧州のEU-ETS等と比較すると、当面は緩やかな負担水準からスタートする設計になっている。企業の投資予見性を確保しながら、段階的に負担水準を引き上げていく方針が示されている。

▼サプライチェーンを通じた中小企業への影響
排出量取引制度の直接的な対象は大企業が中心だが、対象企業がサプライチェーン全体での排出削減を進める中で、取引先である中小企業にも、CO2排出量の算定・報告や削減への協力を求める動きが今後広がる可能性がある。直接の制度対象でない企業も、こうした間接的な影響を見据えた準備を検討する価値がある。

▼今後のスケジュールへの注目
2026年度は届出と移行計画の提出が中心となり、実際の排出枠の割当てや本格的な取引は2027年度から始まる見通しである。対象企業、および対象企業と取引関係にある企業は、経済産業省や排出量取引制度ポータルサイトから発信される最新情報を継続的に確認し、制度の進捗に応じた対応を進めることが重要になる。

■エビデンス評価
レベルA(経済産業省の公式資料に基づく一次情報)
※制度の詳細な運用スケジュールは今後の省令・実施指針により確定していく見込みである。

【カテゴリー】
環境・サステナ

【タグ】
排出量取引制度,GX-ETS,経済産業省,カーボンプライシング,脱炭素

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