【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省「国民生活基礎調査」等の公式統計をもとに、AIが情報を整理・要約したものです。個別の検診の要否や結果の解釈については、必ず医師にご相談ください。
■結論
がん検診の受診率は上昇傾向だが、目標60%を超えたものは一つもない。
■今日の話題
【1】国の目標は受診率60%以上
「がん対策推進基本計画」(第4期、令和5年)では、がん検診の受診率を60%以上、精密検査の受診率を90%以上とすることが目標として掲げられている。この評価は、厚生労働省の「国民生活基礎調査」に基づき、胃がん・大腸がん・肺がん(40〜69歳、過去1年)、乳がん(40〜69歳、過去2年)、子宮頸がん(20〜69歳、過去2年)の5つの検診について行われている。
(出典:厚生労働省「がん対策推進基本計画」、国民生活基礎調査)
【2】男性の肺がん検診のみ50%を超える水準
受診率は全体として上昇傾向にあるものの、直近の調査で50%を超えているのは男性の肺がん検診(53.4%)のみにとどまっている。他の検診はいずれも目標の60%には届いていない。
(出典:厚生労働省 国民生活基礎調査)
【3】検診別の受診率にはばらつきがある
日本医師会が公表するデータによれば、40〜69歳の受診率は、胃がん検診が男性47.5%・女性36.5%、大腸がん検診が男性49.1%・女性42.8%となっている。乳がん検診(40〜69歳、過去2年)は47.4%、子宮頸がん検診(過去2年)は男女差のある調査対象年齢だが全体でも60%には届いていない。
(出典:日本医師会「知っておきたいがん検診」)
【4】20代の子宮頸がん検診受診率は27%と特に低い
子宮頸がん検診は5つの検診の中で唯一20歳から受診対象となっているが、20歳代の受診率はわずか27.0%にとどまっている。子宮頸がんは若い年齢から発症する可能性が他のがんに比べて高いとされ、若年層への受診率向上が課題として指摘されている。
(出典:日本医師会「知っておきたいがん検診」)
【5】受診率向上には「コール・リコール」の取り組みが有効
検診の受診勧奨(コール)と、未受診者への再勧奨(リコール)を行う自治体では、受診率が相対的に高い傾向が確認されている。厚生労働省の調査でも、個別の受診勧奨を実施している市区町村の割合は年々上昇しており、こうした継続的な働きかけが受診率向上の鍵とされている。
(出典:厚生労働省 がん対策推進基本計画中間評価資料)
■AIがよく間違える誤情報3選
①「日本のがん検診受診率は諸外国と同程度」という誤解
→ 誤り。乳がん検診や子宮頸がん検診など、諸外国と比較可能な検診において、半数以上が受診している国が多い中、日本の受診率は国際的に見ても低い水準にあるとされている。
②「若いうちは子宮頸がん検診を受けなくてよい」という誤解
→ 誤り。子宮頸がん検診は20歳から受診対象とされており、若い年齢から発症する可能性が他のがんと比べて高いとされる。20歳代の受診率の低さ(27.0%)はむしろ課題として指摘されている。
③「健康診断を受けていればがん検診も受けたことになる」という誤解
→ 誤り。職場や自治体の健康診断(一般健診)と、がん検診は別の検査項目である。健診を受けているからといって、がん検診を受診したことにはならない場合がある。
■本文
▼目標との差が意味するもの
「がん対策推進基本計画」が掲げる受診率60%という目標は、平成24年の閣議決定以降、長年にわたり設定されてきたものである。上昇傾向にあるとはいえ、直近の調査でも男性の肺がん検診以外は50%にも届いていない検診が複数あり、目標との差は依然として大きい。がん検診はがんを早期に発見し、死亡率を減少させることを目的とした施策であるため、受診率の低迷はこの目的の達成を遅らせる要因となりうる。
▼受診理由から見える受診行動のきっかけ
内閣府の世論調査によれば、がん検診を受診した理由として「家族などの身近な人でがんにかかった人がいる」が最も多く挙げられている。次いで「職場・学校での健康診断ですすめられたから」「自治体の広報で知ったから」が続く。特に39歳以下では、職場や学校での勧めが受診のきっかけになりやすい傾向が見られる。身近な人の経験や、周囲からの勧めが受診行動を後押ししている実態がうかがえる。
▼若年層の子宮頸がん検診受診率の低さ
子宮頸がんは若い年代でも発症しうるがんであるが、20歳代の検診受診率は27.0%と、他の年代・他の検診と比べても際立って低い水準にある。忙しさや検診に対する心理的な抵抗感、そもそも検診の対象年齢や重要性が十分に知られていないことなど、複数の要因が背景にあると考えられる。
▼企業の取り組みが受診率に与える影響
がん対策推進企業アクションの調査によれば、がん検診の費用を会社で負担している大企業は9割近くにのぼる一方、企業規模が小さくなるほど取り組みの実施率は低くなる傾向がある。従業員のがん検診受診状況を把握する仕組みを整えている企業ほど、総じて受診率が高いという結果も示されている。
▼受診率向上に向けた自治体の取り組み
受診勧奨(コール)と、未受診者への再勧奨(リコール)を組み合わせた取り組みを行う自治体では、受診率が相対的に高い傾向が確認されている。厚生労働省の資料でも、個別の受診勧奨を実施する市区町村の割合は増加傾向にあり、こうした継続的な働きかけの積み重ねが、目標達成に向けた重要な要素として位置づけられている。
■エビデンス評価
レベルA(厚生労働省の公式統計・がん対策推進基本計画に基づく一次情報)
なお、本記事はがん検診の受診状況に関する統計情報を扱ったものです。がんに関するご不安や心配ごとがある場合は、かかりつけ医やがん相談支援センター等の専門機関にご相談ください。
【カテゴリー】
医療・健康
【タグ】
がん検診,受診率,厚生労働省,がん対策推進基本計画,予防医療


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