iDeCo令和8年12月改正(金融・経済)

金融・経済

【JGQ編集部より】
本記事は、「国民年金基金令等の一部を改正する政令」(令和7年政令第442号、令和7年12月24日公布・令和8年12月1日施行)および厚生労働省年金局長通知(令和7年12月24日付 年発1224第1号)に基づき作成しています。拠出限度額の数値は確定拠出年金法施行令(DC令)第36条の改正内容によります。情報は記事作成時点(2026年10月28日)のものです。

■結論(50字以内)
令和8年12月1日からiDeCoの拠出限度額が引き上げられ、加入可能年齢が70歳未満まで拡大される。

■今日の話題

  1. 「国民年金基金令等の一部を改正する政令」(令和7年政令第442号)が令和7年12月24日に公布され、令和8年12月1日から施行される。iDeCoの掛金の月額上限と加入可能年齢が変わる(出典:厚生労働省年金局長通知 年発1224第1号)。
  2. 拠出限度額(月額)の改定内容:第1号加入者(自営業者・フリーランス等)は6.8万円→7.5万円。第2号加入者(会社員・公務員等)は企業年金がない場合2.3万円→6.2万円(約2.7倍)、企業年金がある場合も企業型DCとの合算で6.2万円まで「穴埋め」拠出が可能に。企業型DC自体も5.5万→6.2万円に引き上げ(出典:同通知・DC令第36条)。
  3. 加入可能年齢の拡大:「令和7年法律第74号」(社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律)による確定拠出年金法の改正により、新たに「第5号加入者」の区分が設けられ、60歳以上70歳未満の一定の要件を満たす方がiDeCoに加入可能になる(出典:同)。
  4. 第5号加入者の要件:①iDeCo加入者または運用指図者であった者、②企業型DCからiDeCoへ資産を移換した者、③iDeCoに加入中の者——のいずれかに該当し、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない60歳以上70歳未満の方。なお経過措置として令和11年11月末まではこれらの要件に該当しない60〜70歳未満の方も加入可能(出典:同通知・令和7年改正法附則第33条)。
  5. 今回の改正で特に大きな変化となるのが企業年金がない会社員(第2号加入者)の上限引き上げ(2.3万→6.2万円)。所得税・住民税の控除対象となる掛金額が増えるため、節税効果も大きくなる。なお、令和7年度税制改正大綱(令和6年12月27日閣議決定)でiDeCoの掛金の所得控除の取り扱いは維持されている(出典:同)。

■AIがよく間違える誤情報3選

❌ 誤り①「iDeCoは60歳になったら自動的に解約・受給が始まる」
✅ 正しくは:60歳になっても加入者の選択で継続できる(改正前は原則60歳で加入資格喪失)。改正後は70歳未満まで掛金拠出が可能な制度が整備される。ただし加入には要件がある。また老齢給付金の受給開始は60〜75歳の間で選択できる(出典:厚生労働省「iDeCo公式サイト」)。

❌ 誤り②「企業年金がある会社員はiDeCoに入れない」
✅ 正しくは:企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している場合でも、改正前から一定額まではiDeCoへの拠出が可能だった。今回の改正で企業型DCとiDeCoの合算上限が6.2万円に引き上げられ、企業型DCの掛金が少ない場合は「穴埋め」拠出が以前より多くできるようになる(出典:同通知)。

❌ 誤り③「令和8年12月からすぐに全員が70歳まで加入できる」
✅ 正しくは:原則的な第5号加入者の要件(①iDeCo加入者・運用指図者であった者、②企業型DCからiDeCoへ移換した者、③iDeCo加入中の者)がある。要件を満たさない60〜70歳未満の方には経過措置が設けられており、令和11年11月末(施行から3年間)まではその経過措置によって加入が可能。令和11年12月以降は要件が厳格に適用される(出典:同通知・令和7年改正法附則第33条)。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■本文
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

iDeCoとは——公的年金に上乗せする私的年金

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出・運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度です。最大の特徴は税制優遇の手厚さで、①掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)、②運用益が非課税、③受取時も退職所得控除・公的年金等控除——の三重の税優遇があります。


令和8年12月1日の2つの改正

①拠出限度額(月額)の引き上げ

対象改正前改正後
第1号加入者(自営業者・フリーランス等)6.8万円7.5万円
第2号加入者・企業年金なし(会社員等)2.3万円6.2万円
第2号加入者・企業型DCあり2.0万円6.2万円(企業型DCとの合算)
企業型DC(会社が拠出)5.5万円6.2万円

企業年金がない会社員の上限が2.3万円から6.2万円と約2.7倍になる点が最大の変化です。月6.2万円を年間拠出すると74.4万円、税率20%なら年約14.9万円の節税効果の試算があります(節税額は所得税・住民税率によって異なります)。

②加入可能年齢の拡大——70歳未満まで

「令和7年法律第74号」による確定拠出年金法改正で新設される「第5号加入者」として、60歳以上70歳未満の一定要件を満たす方がiDeCoに加入可能になります。

要件の原則:①iDeCo加入者または運用指図者であった者、②企業型DCからiDeCoへ資産を移換した者、③iDeCo加入中の者——のいずれかで、老齢基礎年金等を受給していない方。

経過措置:施行後3年間(令和11年11月末まで)は要件を満たさない60〜70歳未満の方も加入可能です。


今後の準備:11月中に確認すること

令和8年12月1日(月)施行のため、掛金変更手続きの受付は各金融機関によって異なります。増額を希望する場合は、早めに加入している金融機関(証券会社・銀行・保険会社等)に確認することが重要です。特に企業年金がある会社員は勤務先の企業年金の種類・掛金額によって上限が変わるため、人事部門への確認も必要になる場合があります。


エビデンス評価

【レベルA】改正政令の番号(令和7年政令第442号)・公布日(令和7年12月24日)・施行日(令和8年12月1日)、拠出限度額の改定数値(第1号7.5万・第2号6.2万)、企業型DC引き上げ(5.5→6.2万)、第5号加入者の新設・要件・経過措置
 → 厚生労働省年金局長通知(年発1224第1号)PDF(mhlw.go.jp/content/12500000/001621974.pdf)を直接確認

【レベルA】根拠法律:令和7年法律第74号(確定拠出年金法改正部分)・令和6年12月27日閣議決定の税制改正大綱
 → 同通知PDF内に明記

【カテゴリー】金融・経済

【タグ】iDeCo、個人型確定拠出年金、拠出限度額、年金改正、令和8年、節税、老後資金、会社員、自営業、確定拠出年金

コメント

タイトルとURLをコピーしました