職場のメンタルヘルス・令和7年労働安全衛生調査(医療・健康)

医療・健康

【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」(令和8年8月7日公表)の報道発表資料(r07-46-50_houdou.pdf)に基づき作成しています。調査対象は常用労働者10人以上の民営事業所(有効回答8,054事業所・8,393人)。情報は記事作成時点(2026年10月28日)のものです。

■結論(50字以内)
職場のストレスを感じる労働者は67.5%。「対人関係」でのストレスが6.8ポイント増と最大の変化。

■今日の話題

  1. 厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」(令和8年8月7日公表)によると、仕事や職業生活に関して強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある労働者の割合は67.5%(前年比0.8ポイント減)(出典:同調査報道発表資料)。
  2. ストレスの内容(主なもの3つ以内を選択、複数回答)で最大の変化があったのは「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」で前年から6.8ポイント増の32.9%。「仕事の量」39.5%(3.7ポイント減)、「仕事の失敗・責任の発生等」39.5%(3.3ポイント増)が上位を占める(出典:同・労働新聞第3561号における同調査の報道)。
  3. 過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%(前年比0.7ポイント増)。うち休業した労働者がいた割合は10.8%、退職した労働者がいた割合は6.5%(出典:同報道発表資料)。
  4. メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は63.0%(前年63.2%)。事業所規模別では労働者数50人以上で93.7%(前年94.3%)、30〜49人で72.0%(同69.1%)、10〜29人で54.6%(同55.3%)(出典:同報道発表資料)。
  5. メンタルヘルス対策に取り組む事業所のうちストレスチェックを実施している割合は64.0%(前年65.3%)。50人以上の事業所では89.8%(同89.8%)。なお令和7年5月改正労働安全衛生法により50人未満の小規模事業場への義務化(施行日は政令で定める日)が決定しており、厚生労働省は令和8年2月に「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表している(出典:同報道発表資料・厚生労働省こころの耳ポータルサイト)。

■AIがよく間違える誤情報3選

❌ 誤り①「ストレスチェックは50人以上の会社で必ずやっている」
✅ 正しくは:常時50人以上の事業場にはストレスチェックの実施が義務付けられているが、実際に実施している割合は89.8%(令和7年調査)であり、義務対象でも約10%が未実施。50人未満では現時点では努力義務(令和7年5月に義務化法案が成立したが、施行日は政令で定める)。自分の事業所の規模を確認し、実施状況を把握することが重要(出典:同調査・厚生労働省)。

❌ 誤り②「ストレスの原因はほとんどが人間関係(上司・同僚との問題)」
✅ 正しくは:令和7年調査では「仕事の量」と「仕事の失敗・責任の発生等」がともに39.5%で最多。「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」は32.9%で3位に位置し、前年から6.8ポイント増と増加幅が最大ではあるが、最多ではない。ストレス要因は多岐にわたり、量・質・責任・対人関係のいずれも無視できない(出典:同調査)。

❌ 誤り③「メンタルヘルス不調の労働者が1か月以上休んだら、会社は必ず復職支援をしなければならない」
✅ 正しくは:厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(2024年版)では、職場復帰支援のための5ステップの手順が示されているが、これはガイドラインであり法的な義務規定ではない。ただし、合理的配慮や安全配慮義務の観点から、支援なしに復職させて再発した場合は使用者責任を問われうるケースがある(出典:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」)。

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■本文
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令和7年労働安全衛生調査:概要

厚生労働省は令和8年8月7日、「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表しました。常用労働者10人以上を雇用する民営事業所(約14,000か所から無作為抽出)と、そこで働く労働者(約18,000人から無作為抽出)を対象とした年次調査です。有効回答は8,054事業所・8,393人。


ストレスを感じる労働者:67.5%・上位の変化に注目

仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある労働者の割合は67.5%(前年比0.8ポイント減)。3人に2人がストレスを抱えている状況が続いています。

ストレスの内容(主なもの3つ以内の複数回答)の上位は次のとおりです。

  • 仕事の量:39.5%(前年比 3.7ポイント減)
  • 仕事の失敗、責任の発生等:39.5%(前年比 3.3ポイント増)
  • 対人関係(セクハラ・パワハラを含む):32.9%(前年比 6.8ポイント増)

今回最も大きな変化は「対人関係」の増加です。職場のハラスメント対策の強化が続く中でも、対人関係に起因するストレスが増加していることは注目されます。


メンタルヘルス不調による休業・退職:13.5%の事業所で発生

過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%(前年比0.7ポイント増)。内訳は、休業した労働者がいた事業所10.8%、退職した労働者がいた事業所6.5%です。


対策の実施状況:大企業と中小で大きな差

メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は63.0%ですが、事業所規模による差が顕著です。

  • 50人以上:93.7%(ほぼ全事業所)
  • 30〜49人:72.0%
  • 10〜29人:54.6%(半数強)

ストレスチェックの実施率でも同様の差があります(50人以上89.8%、30〜49人58.4%、10〜29人55.9%)。50人未満の小規模事業場への義務化は令和7年5月の改正労働安全衛生法で決定済みで、施行日は政令で定められます。厚生労働省は令和8年2月に「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表し、準備を促しています。


長時間労働の現状:80時間超は1.4%

1か月間の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった労働者の割合は1.4%(前年1.5%)と微減。ただし、そのうち医師による面接指導を受けた割合は16.2%(前年12.6%)と増加しており、法定の面接指導の活用が進んでいます。


相談できる環境の活用を

厚生労働省の「こころの耳」(kokoro.mhlw.go.jp)は、働く人のメンタルヘルスに関する公式ポータルサイトです。電話・SNS・メール相談窓口の情報が掲載されています。


エビデンス評価

【レベルA】ストレスを感じる労働者67.5%・前年比・ストレス内容上位(仕事の量39.5%・仕事の失敗39.5%・対人関係32.9%・各前年比)、メンタルヘルス不調による休業・退職がいた事業所13.5%・内訳、対策実施割合63.0%・規模別、ストレスチェック実施率64.0%・規模別、80時間超時間外1.4%
 → 厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」報道発表資料PDF(r07-46-50_houdou.pdf、令和8年8月7日公表)を直接確認。対人関係の変化幅(6.8ポイント増)は労働新聞第3561号の同調査解説記事で確認(数値は同調査の集計データに基づく)。

【レベルA】小規模事業場へのストレスチェック義務化・令和8年2月マニュアル公表
 → 厚生労働省「こころの耳」ポータルサイト掲載情報で確認

【カテゴリー】医療・健康

【タグ】メンタルヘルス、ストレスチェック、労働安全衛生調査、職場、ストレス、対人関係、パワハラ、長時間労働、厚生労働省、休職

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