精神障害の労災認定、7年連続で過去最多 — 原因トップは「パワハラ」

法律・制度

【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省の公式統計をもとに、AIが情報を整理・要約したものです。仕事上のストレスやハラスメントでお悩みの場合は、総合労働相談コーナーや、こころの耳(厚生労働省委託事業)等の相談窓口をご活用ください。

■結論
仕事のストレスによる精神障害の労災認定が7年連続で過去最多。原因のトップはパワハラ。

■今日の話題

【1】令和7年度の労災認定件数は1,086件で過去最多
厚生労働省は2026年7月15日、「令和7年度 過労死等の労災補償状況」を公表した。仕事上の強いストレスが原因でうつ病などの精神障害を発病し、労災と認定された件数は1,086件となり、7年連続で過去最多を更新した。
(出典:厚生労働省「令和7年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」)

【2】請求件数も増加傾向が続く
精神障害に関する労災請求件数についても、増加傾向が続いている。令和6年度の請求件数は3,780件で前年度比205件の増加となっており、令和5年度も前年度比892件増の3,575件と、大幅な増加を記録していた。
(出典:社会保険労務士PSRネットワーク「令和6年度の精神障害の労災認定件数は1,055件で初の1,000件超え その原因のトップはパワハラ(厚労省)」)

【3】原因のトップは「パワーハラスメント」
過去の集計(令和6年度分)において、精神障害の労災認定における原因(出来事)のトップは「パワーハラスメント」とされている。職場における人間関係や、上司・同僚からの過度な叱責、いじめといった要因が、精神障害発病の主要な引き金になっていることが、継続的な調査結果として示されている。
(出典:社会保険労務士PSRネットワーク「令和6年度の精神障害の労災認定件数は1,055件で初の1,000件超え その原因のトップはパワハラ(厚労省)」)

【4】脳・心臓疾患(過労死等)の労災補償状況もあわせて公表
厚生労働省は、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患についても、精神障害と同様に労災請求件数や支給決定件数を取りまとめている。時間外労働時間の評価期間別に見た支給決定件数の分布など、詳細なデータが毎年度公表されている。
(出典:厚生労働省「令和6年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」)

【5】平成14年から継続的に実施されている調査
この調査は、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害や、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患の状況について、平成14年以降、厚生労働省が毎年1回取りまとめている継続的な統計調査である。長期にわたるデータの蓄積により、職場におけるメンタルヘルス・過重労働の問題の推移を経年で把握できる資料となっている。
(出典:厚生労働省「過労死等の労災補償状況」)

■AIがよく間違える誤情報3選

①「労災認定件数が増えているのは、精神障害になる人が急激に増えているから」という誤解
→ 一部誤解を招く可能性がある。労災認定件数の増加には、実際の発病者数の増加に加え、精神障害と仕事との因果関係に対する社会的な認識の高まりや、労災請求のハードルが下がったこと、企業のメンタルヘルス対策への意識向上に伴う相談・請求の増加など、複数の要因が影響していると考えられる。

②「精神障害の労災認定は大企業の従業員にしか関係のない話」という誤解
→ 誤り。職場でのハラスメントや過重労働は企業規模を問わず発生しうる問題であり、中小企業においても従業員の健康管理は経営上のリスクとして考える必要があるとされている。人手不足や業務量増加が続く中小企業でも、無関係とはいえない課題である。

③「労災認定されるのは、うつ病などで実際に休職・退職した人だけ」という誤解
→ 誤り。労災補償の対象となる精神障害は、うつ病に限らず、業務上の強いストレスが原因で発病したと認められる複数の精神疾患を含む。認定の可否は、業務上の出来事の心理的負荷の強度等、専門的な基準に基づいて個別に判断される。

■本文

▼7年連続の過去最多更新が示すもの
精神障害の労災認定件数が7年連続で過去最多を更新しているという事実は、単年度の一時的な変動ではなく、職場のメンタルヘルスをめぐる課題が構造的に存在し続けていることを示している。請求件数・認定件数がともに増加傾向にあることから、実際の問題の深刻化に加え、労働者や企業側の意識の変化も背景にあると考えられる。

▼「パワーハラスメント」が最多原因である意味
原因の内訳でパワーハラスメントが継続してトップに位置していることは、職場における人間関係の問題が、精神障害発病の主要な要因として社会的にも認識されていることを裏付けている。2020年6月にはパワーハラスメント防止措置が事業主の義務となる法改正(大企業)が施行され、2022年4月には中小企業にも義務化が拡大されているが、こうした法制度の整備にもかかわらず、労災認定件数は増加を続けている状況にある。

▼企業に求められる予防的な取り組み
労災認定件数の増加は、事後的な補償の問題にとどまらず、企業に対して予防的な対策強化を求める社会的な圧力としても機能している。ハラスメント相談窓口の設置、管理職向けの研修、ストレスチェック制度の適切な運用など、複数の対策を組み合わせることが、職場のメンタルヘルス課題への対応として求められている。

▼中小企業にとっての実務的な課題
人手不足や業務量の増加が続く中小企業においては、大企業と同様の手厚い対策を講じることが難しい場合もある。しかし、従業員の健康管理を経営リスクの一つとして位置づけ、可能な範囲でハラスメント防止や相談体制の整備を進めることが、長期的な事業の安定にもつながると考えられる。

▼労働者自身が知っておきたいこと
仕事上のストレスやハラスメントに悩んでいる場合、一人で抱え込まず、社内の相談窓口や、外部の相談機関(総合労働相談コーナー、こころの耳等)を活用することが重要である。労災の認定基準は専門的な判断を要するため、実際に労災申請を検討する場合は、労働基準監督署や社会保険労務士等の専門家に相談することが推奨される。

■エビデンス評価
レベルA(厚生労働省の公式統計に基づく一次情報)
なお、本記事は労災補償状況に関する統計情報を扱ったものです。仕事上のストレスやメンタルヘルスに関するお悩みがある場合は、こころの耳(厚生労働省委託事業)等の相談窓口をご活用ください。

【カテゴリー】
法律・制度

【タグ】
精神障害労災,パワーハラスメント,厚生労働省,過労死等,メンタルヘルス対策

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