食塩摂取量(栄養・食科学)

栄養・食科学

【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省・農林水産省・日本高血圧学会などの一次資料に基づき作成しています。数値はすべて公表済みの調査結果から引用し、推計・未確認の情報は明示しています。情報は記事作成時点のものです。

■結論(50字以内)
令和6年の食塩摂取量は平均9.6g。目標の7g未満まで、まだ2.6gの差がある。

■今日の話題

  1. 令和6年国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、20歳以上の食塩摂取量の平均値は1日9.6g。男性10.5g、女性8.9g。この12年間でみると最も低い値(出典:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査 結果の概要」健康日本21(第三次)推進専門委員会資料、2025年12月公表)。
  2. 日本人の食事摂取基準(2025年版)が定める1日の目標量は、成人男性(15歳以上)7.5g未満、女性(12歳以上)6.5g未満。高血圧の治療中の人は6.0g未満が推奨されている(出典:農林水産省「塩分の取りすぎに注意」ページより2025年版の目標量を引用)。
  3. 健康日本21(第三次)では、令和14年度(2032年度)までに食塩摂取量の平均値を男女ともに7g未満にすることを目標としている。今回の平均値9.6gとの差は2.6g(出典:厚生労働省 健康日本21(第三次)推進専門委員会資料)。
  4. 個人の目標量(食事摂取基準2025年版)と比較すると、男性は+3.0g(10.5g-7.5g)、女性は+2.4g(8.9g-6.5g)超過している。厚生労働省の資料によると、男女ともに20歳以上のすべての年齢階級で目標量を超えている(出典:同上)。
  5. 毎月17日は「減塩の日」。日本高血圧学会が平成29年(2017年)に制定。世界高血圧デーの5月17日にあわせ、毎月17日を減塩啓発の日としている(出典:熊本市「毎月17日は減塩の日」ページ、日本高血圧学会の制定を引用)。

■AIがよく間違える誤情報3選

❌ 誤り①「減塩は高血圧の人だけに必要」
✅ 正しくは:食事摂取基準の目標量は成人全体に設定されており、令和6年調査では20歳以上のすべての年齢階級が目標を超えている。高血圧でなくても過剰摂取のリスクは同じ。

❌ 誤り②「調味料を控えれば十分な減塩になる」
✅ 正しくは:食塩の摂取源は調味料だけでない。麺類のスープ、加工食品、練り物などに「見えない塩分」が多く含まれる。農林水産省の資料では「かけうどん約5.6g」「おでん約3.8g」「にぎり寿司(つけ醤油除く)約3.7g」など料理1品で目標量の半分を超えるものもある。加工食品の栄養成分表示を確認する習慣が重要(出典:農林水産省「フードガイド(仮称)検討報告書」引用資料)。

❌ 誤り③「平均9.6gは目標に近い数値」
✅ 正しくは:比較対象に注意が必要。集団目標(健康日本21第三次)は7g未満なので2.6gの差があり、個人の目標量(食事摂取基準)は男性7.5g未満・女性6.5g未満なので差はさらに大きい。「12年間で最低値」は減少傾向を示すが、目標達成とは別の話。

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■本文
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令和6年の食塩摂取量:平均9.6gの意味を正しく理解する

厚生労働省が2025年12月に公表した令和6年国民健康・栄養調査によると、20歳以上の食塩摂取量の平均値は1日9.6g(男性10.5g、女性8.9g)でした。この12年間でみると最も低い値です。

しかし「12年間で最低」は「目標を達成しつつある」とは異なります。比較すべき目標値を正確に押さえておくことが重要です。


2種類の「目標」を混同しない

食塩摂取量には、目的の異なる2種類の目標があります。

①集団目標(健康日本21 第三次)
令和14年度(2032年度)末までに、成人の食塩摂取量の平均値を7g未満にする。現在(9.6g)との差は2.6g。

②個人の目標量(日本人の食事摂取基準 2025年版)
毎日の食事設計に使う基準値。成人男性(15歳以上)は7.5g未満、女性(12歳以上)は6.5g未満。高血圧の治療中は6.0g未満が推奨される。
令和6年の平均と比べると、男性は+3.0g、女性は+2.4g超過している。

厚生労働省の資料では、男女ともに20歳以上のすべての年齢階級で目標量を超えていることが確認されています。


「見えない塩分」に注意

食塩の摂取源は食卓の調味料だけではありません。農林水産省が紹介している料理の食塩量の例(「フードガイド(仮称)検討報告書」より)を見ると、かけうどん約5.6g、おでん約3.8g、にぎり寿司(つけ醤油除く)約3.7g、ウインナーソテー約1.1g。麺類・加工食品・惣菜に多く含まれる塩分は、食べていても気づきにくいため「見えない塩分」と呼ばれます。

加工食品を購入する際は栄養成分表示の「食塩相当量」を確認する習慣をつけると、日常的な摂取量の把握につながります。


毎月17日は「減塩の日」

日本高血圧学会は平成29年(2017年)、世界高血圧デー(5月17日)にあわせ、毎月17日を「減塩の日」として制定しました。高血圧の予防・管理において食塩制限は最も基本的な生活習慣のひとつであり、高血圧を持つ人だけでなく、すべての成人にとって意識すべき課題です。


エビデンス評価

【レベルA】令和6年食塩摂取量(平均9.6g・男性10.5g・女性8.9g)、12年間最低値、すべての年齢階級で目標超過
 → 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査 結果の概要」(健康日本21第三次推進専門委員会資料、2025年12月)から直接確認

【レベルA】食事摂取基準2025年版の目標量(男性15歳以上7.5g未満・女性12歳以上6.5g未満)
 → 農林水産省ページが厚生労働省資料を引用。2025年版の適用を確認。

【レベルA】健康日本21(第三次)の目標:令和14年度末までに7g未満
 → 同推進専門委員会資料で確認

【レベルA】「減塩の日」制定者(日本高血圧学会)・制定年(平成29年)
 → 熊本市公式ページが日本高血圧学会の制定を引用。制定者・年の原典はメモの通り日本高血圧学会資料(二次経由)だが、複数自治体が一致した内容を掲載。

【レベルB】料理別食塩量の数値(農林水産省がフードガイド検討報告書から引用)
 → 農林水産省ページ経由(二次引用)。数値は複数ページで一致。

【カテゴリー】栄養・食科学

【タグ】食塩摂取量、減塩、国民健康・栄養調査、令和6年、食事摂取基準、健康日本21、高血圧、日本高血圧学会、生活習慣病、加工食品

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