過労死等防止対策白書 令和8年版(法律・制度)

法律・制度

【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省「令和8年版 過労死等防止対策白書」(2026年10月9日閣議決定・公表)および厚生労働省の報道発表資料に基づき作成しています。数値はすべて公表資料から引用しています。情報は記事作成時点(2026年10月26日)のものです。

■結論(50字以内)
精神障害の労災認定が令和7年度に1,082件と7年連続で過去最多を更新した。

■今日の話題

  1. 厚生労働省が2026年10月9日に公表した「令和8年版 過労死等防止対策白書」によると、令和7年度の精神障害の労災認定件数は1,082件で、7年連続で過去最多を更新した(出典:同白書・厚生労働省報道発表資料 2026年10月9日)。
  2. 「過労死等」の定義は、①業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡、②業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、③死亡には至らないがこれらの疾患・精神障害——の3種類(出典:過労死等防止対策推進法)。
  3. 白書は調査研究の重点業種として、自動車運転従事者・教職員・IT産業・外食産業・医療・建設業・メディア業界・芸術・芸能分野の8分野を定めており、令和8年版では建設業・自動車運転従事者・IT産業に係る労働者アンケート調査の結果を報告している(出典:同白書)。
  4. 白書の作成根拠は「過労死等防止対策推進法」(平成26年施行)で、同法は「過労死等をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現を目的とする。令和8年版は国会に報告される11回目の年次報告書(出典:厚生労働省)。
  5. 厚生労働省では、長時間労働の削減・メンタルヘルス対策・ハラスメント防止対策・国民への周知啓発の4本柱で対策を進めており、「大綱(令和6年8月2日閣議決定)」に基づき取り組みを評価・報告している(出典:同白書)。

■AIがよく間違える誤情報3選

❌ 誤り①「過労死=長時間労働による突然死のこと」
✅ 正しくは:過労死等防止対策推進法が定める「過労死等」には3つのカテゴリーがある。①過重労働による脳血管・心臓疾患を原因とする死亡(いわゆる「過労死」)、②強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺(「過労自殺」)、③死亡には至らないがこれらの疾患・精神障害。精神障害の労災認定が近年急増しており、死亡のみを指す言葉ではない(出典:厚生労働省「令和8年版 過労死等防止対策白書」)。

❌ 誤り②「労災申請すれば自動的に認定される」
✅ 正しくは:労災には「請求(申請)」と「認定(支給決定)」は別の手続き。業務起因性があるかどうかを審査した上で認定・不認定が決まる。精神障害の労災認定1,082件は「認定された件数」であり、請求件数はそれを上回る。白書では「請求件数の増加要因分析」も行われており、申請と認定を区別して理解することが重要(出典:同白書)。

❌ 誤り③「IT産業や医療は過労死のリスクが低い」
✅ 正しくは:白書が定める調査研究の重点8業種の中に「IT産業」「医療」が含まれている。IT産業は長時間のシステム開発・保守、医療は当直・オンコールなどによる長時間労働が指摘されている。令和8年版では建設業・自動車運転従事者・IT産業に係る労働者アンケート結果を報告しており、IT産業も重点的な調査対象である(出典:同白書)。

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■本文
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令和8年版 過労死等防止対策白書:精神障害の労災認定が7年連続最多

厚生労働省は2026年10月9日、「令和8年版 過労死等防止対策白書」(令和7年度の状況に関する年次報告書)を閣議決定・公表しました。11回目となる今回の白書では、令和7年度の精神障害の労災認定件数が1,082件で7年連続過去最多を更新したことが報告されています。


「過労死等」とは何か——法律上の3区分

「過労死等」は過労死等防止対策推進法(平成26年施行)によって定義されており、3つのカテゴリーがあります。

① 過重労働による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
いわゆる「過労死」。脳梗塞・くも膜下出血・心筋梗塞・大動脈解離などが対象。

② 強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
「過労自殺」とも呼ばれる。うつ病などの精神障害が業務上の強い心理的負荷によるものと認定される場合が対象。

③ 死亡には至らない脳血管疾患・心臓疾患、精神障害
死亡に至らない場合も「過労死等」に含まれる。精神障害の労災認定件数の増加はこのカテゴリーを主に反映している。


近年の動向:精神障害の認定が急増

精神障害の労災認定件数は7年連続で過去最多を更新しており、令和7年度は1,082件に達しました。白書では近年の労災請求件数の増加要因の分析も行われています。

「申請すれば認定される」という誤解が多いですが、実際には業務との因果関係(業務起因性)の審査が行われ、申請(請求)件数はこれを上回ります。


重点8業種と令和8年版の焦点

白書は「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和6年8月2日閣議決定)に基づき、次の8業種・職種を調査研究の重点対象と位置づけています。

自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療、建設業、メディア業界、芸術・芸能分野

令和8年版では特に建設業・自動車運転従事者・IT産業に係る労働者アンケート調査の結果を報告。職場環境改善や長時間労働削減の取組事例もコラムとして掲載されています。


対策の4本柱

厚生労働省が進める主な対策は次のとおりです。

  • 長時間労働の削減:時間外労働規制・勤怠管理の徹底
  • メンタルヘルス対策:ストレスチェック制度(50人以上の事業場に義務)の活用
  • ハラスメント防止対策:パワーハラスメント・セクシャルハラスメント対策の強化
  • 国民への周知・啓発:毎年11月を「過労死等防止啓発月間」として集中的に周知

「過労死ゼロ相談ホットライン」(電話番号:0120-794-713)は毎年11月に24時間対応で設置されます。


エビデンス評価

【レベルA】精神障害の労災認定1,082件・7年連続過去最多
 → 厚生労働省「令和8年版 過労死等防止対策白書」報道発表資料(2026年10月9日公表)ページを直接確認

【レベルA】「過労死等」の3区分の定義・重点8業種・令和8年版の焦点(建設業・自動車運転従事者・IT産業アンケート)・大綱の閣議決定日
 → 同報道発表資料ページ(mhlw.go.jp/stf/newpage_76612.html)を直接確認

【レベルA】過労死等防止対策推進法の目的・白書が年次報告書である旨・11回目であること
 → 同ページおよびウェブ記事複数で一致した内容を確認

【レベルA】対策4本柱(長時間労働削減・メンタルヘルス・ハラスメント・啓発)
 → 同ページ記載

【参考】「過労死ゼロ相談ホットライン」の番号・毎年11月の啓発月間
 → 厚生労働省の例年の案内に基づく(令和8年版の詳細は白書本文参照を推奨)

【カテゴリー】法律・制度

【タグ】過労死、過労死等防止対策白書、精神障害、労災、労災認定、厚生労働省、長時間労働、メンタルヘルス、ハラスメント、働き方改革

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