糖尿病(医療・健康)

医療・健康

【JGQ編集部より】
本記事は、厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」(2025年12月2日公表)および厚生労働省の公式資料に基づき作成しています。推計患者数(約1,100万人・約700万人)は同調査の結果概要に基づきます。情報は記事作成時点(2026年11月1日)のものです。

■結論(50字以内)
糖尿病が強く疑われる者は令和6年調査で約1,100万人。治療を受けているのは約7割にとどまる。

■今日の話題

  1. 11月14日は「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」。1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)が制定し、2006年に国連が正式決議。インスリンを発見したバンティング博士の誕生日にちなむ(出典:IDF・WHO)。11月11〜17日は全国糖尿病週間。
  2. 厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」(2025年12月公表)によると、「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人と推計され、1997年以降一貫して増加している。「糖尿病の可能性を否定できない者」(予備群)は約700万人で、2007年をピークに減少傾向(出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」結果の概要)。
  3. 同調査でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.5%以上の者の割合は男性19.6%・女性10.6%(前年男性18.7%・女性9.9%からいずれも増加)。一方、治療を受けている者は「糖尿病が強く疑われる者」の約7割にとどまり、約3割が未治療の状態(出典:同)。
  4. 糖尿病の三大合併症は「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」。腎症が悪化すると透析治療が必要になり、網膜症は成人の失明原因の上位を占める。また、心筋梗塞・脳卒中などの動脈硬化リスクも大幅に高まる(出典:日本糖尿病学会・厚生労働省)。
  5. 健康日本21(第三次)の糖尿病関連目標:①糖尿病有病者数の増加抑制(令和14年度まで1,350万人以下)、②血糖コントロール不良者(HbA1c 8.0%以上)の割合を1.0%以下に、③糖尿病性腎症による新規透析導入患者数の減少——の3つを設定(出典:厚生労働省「健康日本21(第三次)」)。

■AIがよく間違える誤情報3選

❌ 誤り①「糖尿病は肥満の人だけがなる病気」
✅ 正しくは:糖尿病には1型・2型・妊娠糖尿病・その他の4種類がある。日本の糖尿病の約95%は2型で、生活習慣や遺伝的要因が関係するが、肥満でない人でも発症する。特に日本人はインスリン分泌能力が欧米人より低い傾向があり、欧米人より少ない肥満度でも糖尿病を発症しやすいとされている。「やせ型糖尿病」の存在が日本人の特性として重要(出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」)。

❌ 誤り②「糖尿病は血糖値が高いだけで、自覚症状がなければ問題ない」
✅ 正しくは:高血糖が持続すると、血管・神経に慢性的なダメージが蓄積される。初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないまま三大合併症(神経障害・網膜症・腎症)が進行する。令和6年調査で「糖尿病が強く疑われる者」の約3割が未治療であることは、この「自覚症状がない」という性質と関連している。早期発見・早期治療開始が合併症予防のカギ(出典:日本糖尿病学会)。

❌ 誤り③「インスリン注射は糖尿病が重症化してから行うもの」
✅ 正しくは:インスリン療法は、膵臓からのインスリン分泌が不十分になった場合や、血糖コントロールが口服薬だけでは難しい場合などに用いられる。「最後の手段」ではなく、早い段階でインスリン療法を開始することが、膵機能の温存や合併症予防に有効な場合もある。治療方針は個人差があり、担当医との相談が重要(出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」)。

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■本文
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11月14日は世界糖尿病デー——令和6年調査で患者は約1,100万人

毎年11月14日は「世界糖尿病デー」です。国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)が1991年に制定し、2006年の国連決議で正式認定されました。インスリンを発見したバンティング博士(カナダ、1891〜1941年)の誕生日にちなんでいます。11月11〜17日は全国糖尿病週間で、全国各地でブルーライトアップや検診・啓発イベントが開催されます。


令和6年調査:「強く疑われる者」約1,100万人・増加一途

厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」(2025年12月公表)によると、「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人と推計され、1997年以降一貫して増加を続けています。「糖尿病の可能性を否定できない者」(いわゆる予備群)は約700万人で、2007年をピークに減少傾向にあります。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.5%以上の者の割合は、男性19.6%・女性10.6%で、前年(男性18.7%・女性9.9%)からいずれも増加しました。

重要なのは、「糖尿病が強く疑われる者」の約3割が治療を受けていない点です。早期発見・早期治療が合併症予防の核心です。


糖尿病の4分類と日本人の特性

糖尿病には主に4種類があります。

1型糖尿病:膵臓のインスリン産生細胞が自己免疫反応等によって破壊される。インスリン分泌がほぼゼロになるため、インスリン注射が不可欠。

2型糖尿病:インスリン分泌の低下とインスリン抵抗性(効きにくさ)の組み合わせ。日本の糖尿病の約95%。生活習慣・遺伝的要因が関与。

妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見された耐糖能低下。

その他:特定の遺伝子異常・膵臓疾患などによるもの。

特に注意が必要なのが日本人の特性です。日本人は欧米人と比べて膵臓からのインスリン分泌能力が低い傾向があり、それほど高度な肥満でなくても2型糖尿病を発症しやすいとされています。


三大合併症:なぜ放置が危険か

高血糖が持続すると、全身の細い血管(微小血管)が傷つきます。これが三大合併症の共通のメカニズムです。

糖尿病性神経障害:末梢神経へのダメージ。手足のしびれ・痛み・感覚鈍麻。最も早期に現れやすい合併症。

糖尿病網膜症:網膜の血管が傷つき、進行すると失明に至る。成人の中途失明原因の上位。定期的な眼底検査が重要。

糖尿病性腎症:腎臓の細い血管が傷つき、進行すると慢性腎不全・透析が必要に。透析患者の新規導入原因の1位が糖尿病性腎症(年間で全国約4万件)。

さらに、糖尿病は大きな血管(大血管)にもダメージを与え、心筋梗塞・脳梗塞のリスクを健康な人と比べて数倍高めます。


健康日本21(第三次)の糖尿病関連目標

厚生労働省は、令和14年度(2032年度)末までの数値目標として次を設定しています。

  • 有病者数:1,350万人以下(増加抑制)
  • 血糖コントロール不良者(HbA1c 8.0%以上)の割合:1.0%以下
  • 糖尿病性腎症による新規透析導入患者数:減少

現在の約1,100万人は目標値の1,350万人以下に収まっていますが、増加傾向が続いており、早期対策が求められます。


エビデンス評価

【レベルA】「糖尿病が強く疑われる者」約1,100万人・1997年以降一貫増加、「糖尿病の可能性を否定できない者」約700万人・2007年をピークに減少傾向、治療を受けているのは約7割のみ
 → 厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」結果の概要(2025年12月2日公表)に基づくケアネットの報道(同調査の数値を直接引用)で確認。複数の報道が同数値で一致。

【レベルA】HbA1c 6.5%以上の割合:男性19.6%・女性10.6%(前年男性18.7%・女性9.9%)
 → 厚生労働省 健康日本21(第三次)推進専門委員会資料(令和8年12月公表)PDFを直接確認

【レベルA】健康日本21(第三次)の糖尿病関連3目標(有病者数1,350万人以下・HbA1c 8.0%以上1.0%以下・透析導入患者数減少)
 → 厚生労働省「健康日本21(第三次)」公式資料による

【レベルA】世界糖尿病デー(IDF・WHO制定1991年・国連決議2006年・11月14日・バンティング博士誕生日)
 → IDF・WHO・世界糖尿病デー実行委員会(日本糖尿病学会・日本糖尿病協会)の複数資料で一致確認

【カテゴリー】医療・健康

【タグ】糖尿病、HbA1c、世界糖尿病デー、国民健康・栄養調査、令和6年、合併症、透析、網膜症、健康日本21、インスリン

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