【JGQ編集部より】
本記事は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条・第36条の2、厚生労働省「令和8年11月は『過労死等防止啓発月間』です」(令和8年10月8日公表)、および厚生労働省の関連資料に基づき作成しています。情報は記事作成時点(2026年11月1日)のものです。
■結論(50字以内)
36協定なしに法定時間外労働はできない。上限規制(月45時間・年360時間)を超えた場合は刑事罰の対象。
■今日の話題
- 11月は「過労死等防止啓発月間」(過労死等防止対策推進法に基づく)。厚生労働省では令和8年11月も「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働が疑われる事業場への重点的な監督指導・セミナー・無料相談ダイヤルを実施している(出典:厚生労働省、令和8年10月8日公表)。
- 36協定(サブロク協定)は、労働基準法第36条に基づき、使用者と労働者の過半数を代表する者が締結する時間外・休日労働に関する労使協定。届け出なしに法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える時間外労働をさせることはできない(出典:労働基準法第36条)。
- 2019年4月(中小企業は2020年4月)施行の働き方改革関連法により、時間外労働の上限が罰則付きで法定された。原則上限は月45時間・年360時間。特別条項付き36協定を締結した場合でも、①年720時間以内、②月100時間未満(休日労働含む)、③2〜6か月平均で月80時間以内、の3条件すべてを満たす必要がある(出典:労働基準法第36条・厚生労働省)。
- 上限規制に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象(使用者・法人両方)。以前は36協定さえ結べば事実上青天井で時間外労働が可能だったが、2019年改正で上限が法定化された(出典:労働基準法第119条)。
- 過重労働解消相談ダイヤル:0120-794-713(なくしましょう長い残業)、令和8年11月7日(土)9:00〜17:00。労働基準監督官が対応(出典:厚生労働省 令和8年10月8日公表)。平日・土曜は「労働条件相談ほっとライン」(0120-811-610)も利用可能。
■AIがよく間違える誤情報3選
❌ 誤り①「36協定を結べば残業は何時間でもできる」
✅ 正しくは:2019年の働き方改革関連法施行以前は36協定を結ぶことで事実上青天井の時間外労働が可能でしたが、現在は罰則付きの上限規制があります。特別条項付き36協定を締結しても①年720時間、②月100時間未満(休日労働含む)、③2〜6か月平均80時間以内の3つすべてを満たさなければなりません(出典:労働基準法第36条)。
❌ 誤り②「時間外手当を払えば残業時間は関係ない」
✅ 正しくは:時間外手当(割増賃金)を支払うことと、時間外労働の上限規制を遵守することは別の義務です。割増賃金を払っても上限規制の違反は解消されません。また、36協定を締結せずに時間外労働をさせると、割増賃金の有無に関わらず労働基準法違反(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)になります(出典:労働基準法第36条・第119条)。
❌ 誤り③「管理職には残業規制が適用されない」
✅ 正しくは:「管理監督者」(労働基準法第41条)は、時間外・休日の割増賃金の対象外ですが、上限規制の適用除外ではありません。管理監督者への上限規制の適用については、現行法では一般労働者と異なる取り扱いがあるものの、健康確保の観点から長時間労働を放置することはできません。なお、「名ばかり管理職」(実態として管理監督者の要件を満たさない者)には通常の残業規制が適用されます(出典:労働基準法第41条・厚生労働省)。
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■本文
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11月は過労死等防止啓発月間——「過重労働解消キャンペーン」実施中
厚生労働省では「過労死等防止対策推進法」に基づき、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定めています。令和8年11月も「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働が疑われる事業場への重点的な監督指導、セミナー開催、無料の電話相談などを全国で展開しています。
36協定(サブロク協定)とは何か
労働基準法は1日8時間・週40時間を「法定労働時間」と定め(第32条)、これを超えて労働させることを原則として禁じています。
例外として認められているのが「36協定」です。使用者と「労働者の過半数を代表する者」(労働組合がある場合は過半数組合)が書面で協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届け出ることで、法定労働時間を超える時間外労働・休日労働が可能になります(労働基準法第36条)。
「36協定」という名称は、この条項が「第36条」に規定されていることに由来します。
上限規制:2019年の働き方改革で罰則付きに
2019年4月(中小企業は2020年4月)施行の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)により、時間外労働に罰則付きの上限が設けられました。
原則上限(通常の36協定)
- 月45時間以内
- 年360時間以内
特別条項付き36協定でも越えられない限界
臨時的な特別な事情がある場合に限り、特別条項付き36協定を締結することで原則上限を超えることができますが、それでも次の3条件すべてを満たす必要があります。
①年間の時間外労働が720時間以内
②時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
③時間外労働と休日労働の合計について、2〜6か月のいずれの平均も80時間以内
これらに違反した場合、使用者と法人の両方に6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(労働基準法第119条)。
2024年4月から建設・運輸・医師にも適用
建設業・自動車運転の業務・医師については、業界の実態に配慮して2019年の改正施行から5年間の猶予が設けられていましたが、令和6年(2024年)4月1日から適用されています。
- 建設業:原則上限(月45時間・年360時間)適用。特別条項でも年720時間以内・月100時間未満(※災害復旧等を除く)
- 自動車運転(トラック・バス・タクシー等):特別条項の年上限が960時間
- 医師:地域医療の確保等を目的とする指定機関は年1,860時間まで(A水準は年960時間)
36協定のチェックポイント:労働者として知っておくこと
- 自社の36協定を確認する:36協定は職場に掲示・周知する義務があります。自分の職場の上限時間を確認しましょう。
- 36協定がない場合:時間外労働を命じることは原則として違法です。
- 月45時間超の月は年6回まで:特別条項があっても、月45時間を超えられるのは年間で6か月が上限です。
- 相談窓口:「過重労働解消相談ダイヤル」0120-794-713(令和8年11月7日(土)9:00〜17:00)。「労働条件相談ほっとライン」0120-811-610は平日夜間・土日も対応。
エビデンス評価
【レベルA】11月が過労死等防止啓発月間(過労死等防止対策推進法に基づく)、令和8年の過重労働解消キャンペーン実施、過重労働解消相談ダイヤル番号・日時(0120-794-713・令和8年11月7日(土)9:00〜17:00)
→ 厚生労働省「令和8年11月は過労死等防止啓発月間です」(令和8年10月8日公表、mhlw.go.jp/stf/newpage_76625.html)のスニペットを確認。相談ダイヤルの番号・日時も同ページから確認。
【レベルA】36協定の定義・上限規制の数値(月45時間・年360時間・特別条項での年720時間・月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内)・罰則(6か月以下懲役または30万円以下罰金)
→ 労働基準法第36条・第36条の2・第119条(法令文)および厚生労働省の関連資料による。2019年改正(働き方改革関連法)施行事実を複数の都道府県労働局資料で確認。
【レベルA】建設業・自動車運転・医師への適用(令和6年4月1日)・各業種の上限時間
→ 厚生労働省の関連資料・複数の都道府県労働局資料で確認
【カテゴリー】法律・制度
【タグ】36協定、時間外労働、上限規制、過重労働、過労死、厚生労働省、働き方改革、労働基準法、過労死等防止、長時間労働


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