【JGQ編集部より】
本記事は、農林水産省・消費者庁・環境省「食品ロス量(令和4年度推計値)」(令和6年6月21日公表)に基づき作成しています。推計は農林水産省大臣官房新事業・食品産業部が実施しています。情報は記事作成時点(2026年10月30日)のものです。
■結論(50字以内)
令和4年度の食品ロスは472万トン。事業系は2030年の目標をすでに達成した。
■今日の話題
- 農林水産省・消費者庁・環境省が令和6年6月21日に公表した推計によると、令和4年度(2022年度)の食品ロス量は472万トン(前年度523万トン比▲51万トン、▲9.8%)。内訳は事業系236万トン(▲43万トン)・家庭系236万トン(▲8万トン)(出典:農林水産省プレスリリース 令和6年6月21日)。
- 事業系食品ロス(食品製造業・食品卸売業・食品小売業・外食産業)の2030年度目標は2000年度比で半減(547万トン→273万トン)。令和4年度の事業系236万トンは目標の273万トンを下回り、目標を達成した(出典:同)。
- 10月は「食品ロス削減月間」。食品ロス削減推進法(令和元年10月1日施行)に基づき毎年10月が食品ロス削減月間と定められており、消費者庁・農林水産省・環境省が連携して啓発キャンペーンを実施している(出典:消費者庁)。
- 家庭系食品ロス236万トンの主な発生要因は「食べ残し」「過剰除去(皮などのむきすぎ)」「直接廃棄(未使用のまま捨てる)」の3種類。家庭系の2030年度目標(273万トン以下)は令和4年度時点で達成しているが、継続的な削減が求められる(出典:農林水産省・環境省)。
- 食品ロスと世界の食料支援の関係:国連世界食糧計画(WFP)が2022年に実施した食料支援は年間480万トン。日本の食品ロス472万トンはこの食料支援量に匹敵する規模(出典:複数自治体が引用する農林水産省・WFPデータ)。
■AIがよく間違える誤情報3選
❌ 誤り①「食品ロスは日本だけの問題」
✅ 正しくは:食品ロスは国際的な課題で、国連のSDGs(持続可能な開発目標)のターゲット12.3では「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させる」ことが定められている。国連食糧農業機関(FAO)の報告によれば、世界で生産される食料の約3分の1(約13億トン/年)が廃棄・損失されている(出典:農林水産省プレスリリース引用のSDGsターゲット)。
❌ 誤り②「事業系の目標を達成したので、食品ロス問題は解決した」
✅ 正しくは:事業系の目標達成は重要な成果だが、家庭系食品ロスは236万トンと依然として大きく、削減の余地がある。農林水産省は目標達成後も「より一層の食品ロス削減のための取組を進める」としており、取組の継続が必要。令和4年度が「コロナ禍による市場縮小等の影響」を受けた年であった点も考慮が必要(出典:同プレスリリース)。
❌ 誤り③「食品ロスを減らすには賞味期限ギリギリまで食べるのが最善」
✅ 正しくは:「賞味期限」は「おいしく食べられる期限」(品質保証の期限)、「消費期限」は「安全に食べられる期限」(安全性の期限)で意味が異なる。賞味期限が過ぎた食品でも安全な場合は多いが、食中毒リスクを避けるためにも自分の感覚(見た目・においなど)で判断することが重要。農林水産省は「食品ロス削減のために賞味期限をよく理解すること」を推奨しており、期限前に使い切る計画的な購入が根本的な対策(出典:農林水産省「食品ロスの削減」ページ)。
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■本文
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食品ロスとは——「まだ食べられるのに捨てられる食品」
食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品のことです。農林水産省・消費者庁・環境省が毎年推計値を公表しています。
令和4年度(2022年度)の推計値は472万トン(前年度比▲51万トン)。内訳は事業系(食品関連事業者から発生)と家庭系(一般家庭から発生)がともに236万トンでした。
事業系食品ロス:2030年目標を前倒し達成
食品リサイクル法の基本方針(令和元年7月公表)では、事業系食品ロスを2000年度(547万トン)比で2030年度までに半減(273万トン)させる目標が設定されています。
令和4年度の事業系食品ロスは236万トンで目標の273万トンを下回り、目標を前倒しで達成しました。農林水産省はこれを「長年にわたり食品事業者の食品ロス削減の取組が着実に進められてきた成果」と評価しつつ、引き続き取組を進めると表明しています。
| 区分 | 令和3年度 | 令和4年度 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 食品ロス量(計) | 523万トン | 472万トン | ▲51万トン(▲9.8%) |
| 事業系食品ロス量 | 279万トン | 236万トン | ▲43万トン(▲15.4%) |
| 家庭系食品ロス量 | 244万トン | 236万トン | ▲8万トン(▲3.3%) |
家庭系食品ロスの3大要因
家庭系食品ロス236万トンの主な発生要因は次の3つです。
- 食べ残し:食卓に出たが食べきれなかった食品
- 過剰除去:野菜の皮を厚くむきすぎるなど、本来食べられる部分を捨てること
- 直接廃棄:買ったまま使わずに捨てる食品
計画的な購入・冷蔵庫管理・食材の使い切りが家庭での食品ロス削減の基本です。
10月は「食品ロス削減月間」
食品ロス削減推進法(令和元年10月1日施行)に基づき、毎年10月が「食品ロス削減月間」と定められています。10月30日は「食品ロス削減の日」です。消費者庁・農林水産省・環境省が連携して啓発キャンペーン「食品ロス削減国民運動(ろすのん)」を展開し、小売店でのフードドライブやイベントが全国各地で行われます。
世界規模で見る:WFPの食料支援量に匹敵
国連世界食糧計画(WFP)が2022年に世界の飢餓に苦しむ人々に実施した食料支援は年間約480万トンです。日本の食品ロス472万トンは、この支援量に近い規模です。食品ロスの削減はSDGsターゲット12.3(2030年までに世界の食品廃棄物を半減)にも位置づけられており、国際的な課題でもあります。
消費者にできること:3つの場面での取組
農林水産省・環境省が推奨する実践例を場面別にまとめます。
買い物前
- 冷蔵庫・食品棚の在庫を確認してから購入
- 必要な量だけ買う(まとめ買いを減らす)
- 賞味期限・消費期限を確認し、使う予定に合わせて選ぶ(「てまえどり」も有効)
家庭での保存・調理
- 冷蔵・冷凍を適切に使い分けて保存
- 皮や根など食べられる部分を捨てすぎない
- 残り食材を活用するレシピを活用
外食時
- 食べきれる量を注文する
- 食べ残しは持ち帰りができる場合は活用
エビデンス評価
【レベルA】令和4年度食品ロス量472万トン(前年523万トン比▲51万トン)・事業系236万トン(▲43万トン)・家庭系236万トン(▲8万トン)、事業系の2030年目標(273万トン)達成
→ 農林水産省「令和4年度の事業系食品ロス量が削減目標を達成!」プレスリリース(令和6年6月21日公表、maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/240621.html)ページを直接確認。表の数値を確認。
【レベルA】10月が食品ロス削減月間(食品ロス削減推進法に基づく)
→ 同プレスリリースおよび消費者庁の情報により確認
【レベルB】WFP食料支援年間480万トン(2022年)・世界の食料廃棄量約13億トン/年
→ 農林水産省プレスリリースおよび複数自治体の引用から確認。WFP公式の原典直接確認はできていないためレベルB。
【カテゴリー】環境・サステナ
【タグ】食品ロス、フードロス、食品ロス削減、食品ロス削減推進法、農林水産省、環境省、消費者庁、SDGs、家庭系食品ロス、事業系食品ロス


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